看護師の仕事は多忙でつねに判断が求められるため、業務の優先順位をつけ、素早い判断をすることが重要になる。

看護師が仕事の優先順位を考えるうえで大事にしたいのが、重要度と緊急性だ。重要度が高く、かつ緊急に行わなければならない仕事が、第一優先となる。例えば、介助が必要な二人の患者が、同時にトイレに行きたいと申し出たとする。一方は認知機能も身体機能も安定している患者、もう一方は認知機能が低下していて転倒するリスクが高い患者の場合、後者の介助をするのが優先になるだろう。

優先順位を意識した仕事は大切だが、バランスも大事にしたい。重要度は高いのだが、緊急性が低い仕事は見過ごされやすい。重要度が高い仕事なので、やらずにいると大きな問題に発展し、かえって仕事を増やす危険性がある。看護師の仕事で優先順位とともに大切にしたいのが、素早い判断だ。優先順位はゆっくり考えれば新人の看護師であっても正しい結論を出せるかもしれないが、スピーディーに判断して行動に移さなければ、患者の命を危険にさらしてしまう場合がある。特に、緊急性が高い患者が多く運ばれてくるICUでは、安全を確保しつつ、冷静に優先順位を見極め、素早く判断して行動できる人が向いている。

優先順位を素早く判断するためには、ある程度の経験が必要だ。仕事が早い看護師を参考にしたり、直接アドバイスを求めるのもよい方法といえる。また、自分の仕事ぶりを振り返り、業務のやり方を見つめなおしてみるとよいかもしれない。